大使挨拶
在エクアドル大使館のホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。
新大使として昨年末に着任いたしました、野田仁と申します。どうぞよろしくお願いいたします。また、到着直後が天皇陛下のお誕生日に近い時期に当たりましたところ、私どもの大使館で開催しましたお誕生日の祝賀会に御来場いただきました皆様には、着任早々の御来訪に、この場を借りて重ねましてお礼申し上げます。
キトに参りまして、高く広く青い空、さわやかに澄みわたった大気、日中の日差しの力と夜間、朝方の寒さとの極端な対比、町の静かでのんびりした時間の流れ、そしてもちろん、さわやかなだけでなく、ずいぶん薄い空気等々の新しい環境に、まだ現在、体と心と両方が、日々驚いている状況にあります。一つ前の任地が、南シナ海に臨んだ暑い大都市であります香港であったためもあるかもしれませんが、エクアドルでは、香港では目にしたはずもない雪に覆われてそびえる山の美しさに、毎朝目を瞠る目覚めです。
同時に、勤務開始後何週間かの時点で口にしますのは、本当は尚早なのであろうとは存じますが、この機会にあえて御挨拶に含めさせていただきますと、キトのみならず国の多くの地域で活躍される御在住の日本人や日本企業の皆様の士気と御努力に、感謝をこれも日々深めます毎日です。
皆様の方がはるかによく御存じの通り、エクアドルの経済は、現在楽な状況にはないと承知します。また、これとも関連があろうと思いますが、残念ながら、当地で活躍される日本人、日本企業も、一時期に比べずいぶん少なくなってしまっています。しかし、そのような状況の下でも、日本社会の多くの御活動や、それを推進される皆様の御尽力に、既に強い感銘をいただいています。長年にわたり当地社会で御苦労を積み重ねられた日本の皆さんが、御自身のお仕事のみならず、当地での日本社会の活動を強く支えられ、またさらに日本とエクアドルの関係のいっそうの増進にも大きく貢献しておられますことに、お礼申し上げます。また、日本から御進出の企業の方々が、やはり現地の方と御一緒に、両国それぞれの経済、社会の発展のために、かつひいては、両国間の関係強化や親善の増進のためにも、時に大きな御負担をとりながらも積極的な御尽力、御貢献を続けておられることに、お礼申し上げます。さらに、開発協力や文化交流を含めました両国間の多くの協力、親善のために、全国でこれも長きにわたる御努力を注いできておられます個人、団体の皆様に、お礼申し上げます。これら以外の皆様も併せまして、政府機関の代表としまして、またもちろん私個人といたしましても、着任直後ではありますが、既に大きな喜びを感じ、自らの努力のための指針もいただいていることに感謝しております。
今後、大使館としましては引き続き、また私自身としましては新たに、皆様の団結と御努力の中に加えていただきたく存じます。実は、南米の勤務は初めてのことで、至りません点がまさに多々あることと存じますが、もちろん微力を尽くします。どうぞよろしく、御鞭撻をお願い申し上げます。先に述べました、現地経済が楽観的でない状況下でも、重要な事業の引き続きの発展を図り、またさらに、順調でない面もある時期だからこそ、試みる価値のある面があれば、皆様の御経験と英知の下に、そうした新たな可能性を追求してみるのもよい時期であるかもしれません。同様に、これらの点も含めまして、大使館でお手伝いできる、あるいは御一緒にやらせていただけますことがおありの場合には、何でもお声がけいただければ、幸いに存じます。
日エクアドル両国にとりましてはもちろん、現地の日本社会にとりましても、大きな慶事でありまた課題でもありますことの一つに、よく御存じの外交関係樹立100周年があります。内容におきましても数字の節目としましても、大いにお祝いすべき歴史、成果であり、今後に向けた出発点だと思います。両国の関係者の御努力の上で、活発な御準備をお進めいただいているように感じますところ、大使館としましても、また、10月まで皆様のお世話になりました小瀧大使の努力を少しでも引き継ぎまして私自身も、最大限の努力を行う所存です。着任の機会にこの点も含めまして、皆様の引き続きの御協力、御指導も、引き続きよろしく、改めましてお願い申し上げます。
末筆で失礼ですが、時節柄、エクアドル御在住の日本の皆様を始めとしまして、この御挨拶にお目をお通しいただいている皆様全員と、御家族様が、よい新年を迎えられ、また、それぞれのお仕事をますます発展させられますことを、お祈りいたします。
2016年元旦
